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デザイナーにイラストやデザインを依頼するときのチェックすべき項目

デザイナーやイラストレーターの方にイラストやデザインを依頼するときのチェックするべきポイントをまとめてみました。

はい、皆さんこんにちは。いんたらくとです。

 

デザイナーに依頼する

イラストやデザインは、自分で作れるなら可能な限り自分で作った方が安くなりますし、ライセンスの問題もクリアなものになります。しかし、良いデザインやイラストを必要に応じて素早くいつでも用意できる人と言うのは、そんなに多くはないと思います。

 

それでも、イラストやデザインが必要になることはあります。そういうときに、フリー素材やCC0素材というような、著作権(財産権)を放棄し、著作人格権を行使しない、みんなが自由に使える素材を利用するのも手ですが、デザイナーに依頼することによって、目的や用途に合わせたデザインを使用することができます。

 

 

予算と依頼の相場は?

予算は人や会社によって様々なので、一概には言えません。個人間取引が簡単にできるようになったので、なおさら予算の設定は難しくなりました。

 

というのも、普段はプロとして仕事をされている方が別名義で活動していて、クオリティに対して安価に応じてくれることもあれば、アマチュアでもそこそこの額が必要なこともあります。あっちが安いから、こっちも安いだろうと思っていると『大ハズシ』することになります。基本的には、長期的におつきあいのできる信用できるデザイナーさんを見つけるのが価格の相談もしやすいので良いですが、状況によってはとにかく安さ優先で依頼したいこともあると思います。

 

安さと品質は概ね比例します。高品質なものが必要ならコストは惜しまないようにしましょう。

 

プロや制作会社に依頼する場合

料金は応相談のところが多く高めですが、包括的にデザインを担当してもらえる事が多いです。お金があるなら実績豊富なプロに依頼するのがおすすめです。

 

要望対しては、個人や趣味を売買するサイトに比べて、より柔軟に対応していただけることが多いです。

 

趣味を売買するサイトの場合

  • 500円~3,000円(アマチュア・あまり複雑でないもの)
  • 5,000円~10,000円(セミプロ・そこそこ複雑なもの)
  • 10,000円~20,000円(プロ・複雑なもの)

例えば、ココナラという個人の趣味を売買するサイトでは、最も安いもので500円~が大体の相場になっています。見本画像とプロフィール、値段や評価から依頼する人を選べるので便利です。支払いに関するトラブルなどの問題に対しても運営会社の相談窓口があるので安心です。

 

個人に依頼する場合

個人の場合は特に相場と言うものはありませんが、アイコン画は3,000円~5,000円でヘッダーは20,000円のように定額の料金設定がされていることが多いようです。

 

注意が必要なのは、個人として営業されている方に依頼するときには、支払いに関するトラブルなどの問題が発生したときに、依頼側は泣き寝入りすることになる恐れがあるということです。信用できるか、過去の実績から価格が妥当であるかを確認する必要があります。場合によってはプロに依頼したほうが安くなることもあります。インターネットで調べて褒めるような記事が多数出ていたとしても、手放しで飛びついてはいけません。

 

プロとして活躍されている方やデザイン会社に依頼するときには当たり前過ぎて確認しないような事項(特に権利関係の著作人格権)でも、省略せずにしっかりと確認する必要があります。

 

制作イメージを伝える方法

予算や簡単に内容を伝えて、良さそうなデザイナーさんを選んだあとは、具体的にどのようなイメージで制作するのかを伝えていきます。

 

どのような場所で利用するのか、デザインに取り込みたい色やアイテムがあれば理由とともに説明するとより『欲しいデザイン』に近づきます。有名な絵画やブランドなど、すでにあるデザインを参考資料として提示することができればそれもまた『欲しいデザイン』に近づきます。

 

重要なのは、早い段階で伝えることが大切です。あとから急に言われても対応できないことがあります。

 

 

権利関係について

(2010年に宣伝コピー「やめられないとまらない」について制作者が不明と言われていることを、制作に関わった広告代理店の社員だった日高氏は知った。)

 

日高氏は、2010年にカルビーに手紙を送り、同社の東京本社を訪問。“誕生秘話”を披露すると伊藤秀二社長は感激し、社内報に載せるための写真撮影もあったという。ところが、後にCMを別の会社が著作権登録していたという理由で、社内報への掲載は見送りに。

 

これに怒った日高氏は、名誉を傷つけられたとして今年7月に東京地裁に訴えを起こした。「自分に著作権があるとは思っていません。ただ、テレビ番組や新聞を見た人は、どう思うか。私が嘘をついていたと思うはず。それはクリエイターとして堪えがたい」

 

損害賠償請求額は1億5000万円だが、これは金額がないと裁判にならないといわれたためで、「お金が欲しいわけではありません」と日高氏はいう。さて、カルビーはなんと答えるか。

出典 https://www.dailyshincho.jp/article/2017/12131659/?all=1

こちらは、著作物は著作物でもイラストではなく宣伝コピーの事例ですが、著作権という権利についての記事なので紹介しています。

 

 

 

  • 宣伝コピーには著作権が発生しない判例がある。
  • 会社が受注し個人が業務として制作した場合は、著作人格権は会社に帰属する。

 

以上のことから、この訴訟は原告側の敗訴になると考えられます。しかし、裁判に引っ張り出されるという状況が好ましくないのは事実です。

 

長期間使用する予定のある著作物に対しては、しっかりと著作人格権の不行使およびに著作財産権の譲渡を契約の際に行わないと、制作費としていくらお金を払っていたとしても制作者の権利が留保され、上記のように裁判の原因になります。

 

参考

公益社団法人著作権情報センターcric.or.jp

 

著作人格権の不行使

著作物は、その著作者の考えや気持ちを表現したものですから、著作物をとおして表現された著作者の人格をまもるため、著作者人格権が定められています。

著作権(財産権)はほかの人に譲り渡すことができますが、この著作者人格権は、作品を作った人自身の人格を保護するという目的がありますので、譲ることができません。

出典 http://kids.cric.or.jp/intro/01.html

どのような状況で制作されたにしても、制作者に対して自動的に付与されるのが著作人格権です。著作人格権には、主に公表権、氏名表示権、同一性保持権があります。公表権は未公開のデザインを一般に公表する権利、氏名表示権は本名又はペンネームの表示を求める権利、同一性保持権は著作物の改変を制限するものです。

 

例えば、新規ブランドをスタートするにあたって、ロゴのデザインを依頼したとします。公表権を行使されると、新規ブランドがまだ企画段階のものであったとしても「会社の意図しないところで公表してしまう」ことを制限する事ができません。また、氏名表示権を行使されると、Apple社のロゴの下に必ず『illustrated by Rob Janoff』のように記載しなくてはならないのです。さらに、Apple社のロゴは時代に合わせて虹色であったり、グレーであったりと移り変わっていますが、同一性保持権を行使されるとそれも出来なくなってしまいます。とても現実的ではありません。

 

不行使契約はこれらの権利を使用しないことを書面で約束するものです。依頼によって制作された著作物であったとしても制作者に権利が残り、行使されると使用が大きく制限される事になります。だからこそ、予め権利を使用しないことを約束する必要があります。

 

個人の意思に基づくアートと、依頼によって制作されるイラストはしっかりと分けて法律が定められていれば問題なかったのですが、現行法では不行使を約束することで対応するしかありません。

 

不行使を明記していたとしても、例えば『制作者を偽って公表する』ような行為は契約の範疇を超えるものですので、制作者としての権利を失うわけではありません。それにも関わらず、不行使の明記を断られるようならば、後のトラブルのもとですのでそのデザイナーに依頼するのは控えた方が良いでしょう。

 

著作権(財産権)譲渡

さて、著作権の財産権です。財産権というと使用権のことです。使用権は全面的に譲渡することができます。アニメや漫画で言われる、いわゆる版権と呼ばれるものはこの著作財産権を意味します。著作者人格権を持つ作者が出版社等に著作財産権の管理を委任しています。

 

財産権で定められている項目はたくさんありますが、上映権や複製権、公衆送信権、そして、二次的著作物の利用権などがあります。

 

この中でも二次的著作物の利用権は重要です。既ににあるデザインをもとにアレンジして制作した著作物の場合、原則としてその使用はもとの著作物の著作者に帰属するというルールです。ドラえもんというアニメや漫画をもとに、ドラえもんの登場するオリジナルエピソードを制作した場合は、エピソードや絵調がオリジナルでも、もとの著作権を保有する関係各所の許可を得なければなりません。同人誌はどうなのかと思われるかもしれませんが、同人誌は著作者によって見逃してもらっている状態で、著作権法をもとに訴えられた場合には勝ち目がないのです。

 

財産権が譲渡されていないとそれの定める項目ひとつひとつに、お伺いを立てなくてはならなくなってしまいます。作った人にとっても使う人にとっても、お互いのためにしっかりと確認することが大切です。

 

ロイヤリティフリー

さて、キャンペーンなどで一時的に利用するためのロゴやフライヤー(チラシ)等のオリジナルと言ってもさほどオリジナル度が低いデザインであるならば、著作人格権の不行使や著作財産権について契約する必要まではありません。ロイヤリティフリーで十分です。ロイヤリティフリーというのは、あくまでも著作者の許可する使用方法を守っている限り、使用回数に制限がないというものです。

 

写真を購入したり、使用したりできるストックフォトサービスはこのロイヤリティフリーの条件で使用が許可されていることが多いです。この条件をどのように定めるかは著作者が決めることができます。ただし、これから制作を依頼するにあたって、あまりにも厳格な条件を定められている場合はトラブルを防止するためにも、他を当たったほうが良いでしょう。

 

ライセンスのご案内

ウェブ上におけるイメージとしての利用:

(ウェブサイト/ニュースサイト/記事サイト/ブログ/SNS)

特定の商品の「販売」:不可

(Tシャツ/マグ/ポストカード/グリーティングカード/ステッカー(ウォール・ステッカー含む)/スタンプ)

出典 https://pixta.jp/about-license#terms

慣習ではロイヤリティフリーといった場合は『著作権(財産権)の一部+著作人格権の不行使』とほぼ同じように使用されています。一般的にロイヤリティフリーといった場合は著作権の譲渡の利用方法に制限が多いバージョンということです。ピクスタという大手ストックフォトサービスではそのようになっていました。

 

PIXTA利用規約
第1条 クリエイター会員
5.当社が使用権を許諾した後も、著作権等コンテンツに係る諸権利は、当該コンテンツのクリエイター会員又は著作権者に帰属し、会員に対し権利の移転は行われません。

6.クリエイター会員は、購入者等が、コンテンツに加工を自由に施すことを承諾し、コンテンツの使用にあたりコピーライト表示(クレジット表示)又はこの非表示等を求めないものとします。その他、著作者人格権を行使しないことに同意します。

出典 https://pixta.jp/terms#provision_contract

使用するのを前提に配信しているので、使用そのものに制限がかかってしまうのでは大問題です。一応、制作者の著作人格権は失いませんが、それの行使は否定されています。

 

イギリスの政治体制「君臨すれども統治せず」に近いものがあります。 本来であれば国王には統治権がありますが、行使しないということです。国王が直接統治することによって、私的な感情で判断をしてしまうおそれがあるからと言われています。ロイヤリティフリーも同じです。著作権を盾にしたデザイナーの、個人的な感情によって使用に制限がかかることもあるのです。それが、権利関係が明確でない場合に起こる最悪のトラブルです。

 

  • 名刺デザイン
  • チラシデザイン
  • 記事の挿絵イラスト

これらのような、一時的に使用し、差し替えが可能なものに関しては加工の程度や再利用の度合いも限られてくるため、ライセンスフリーで十分だと思います。しかし、ロゴや長期的に使用することを目的とする場合は、差し替えが難しくなってくるようなデザインの場合はロイヤリティフリーでは使用に制限が多くなりがちなので、しっかりと著作権譲渡と著作人格権の不行使を契約することをおすすめします。

 

権利関係 まとめ

著作権の譲渡+不行使:自由に編集したり加工したりして、長期に渡って使用するもの。納品状態から更に加工を必要とするもの。(比較的高い)

ロイヤリティーフリー:キャンペーン等で一時的に利用し、差し替えが可能なもの。(比較的安い)

著作権の契約をしっかりと行わないと、後々に有名になった場合に『著作者の権利』という名目のもとに訴訟に発展する恐れがあります。長期的に使用したり、幅広く加工して使用する場合は、必ず著作人格権の不行使と著作権の譲渡を契約に入れることをお勧めします。

 

ロイヤリティフリーでは制作時に想定していない使用方法に対して制限が発生します。つまり、最悪のケースでは、自社や自サイトを表す意匠なのにも関わらず、デザインを担当したデザイナーによってその利用を差し止められるということがありえます。

 

そもそも、信用できるデザイン会社や信頼できるデザイナーに依頼するのが最も最適です。信頼関係があればロイヤリティーフリーでもこのような問題は発生しませんが、予算や規模によって個人に依頼することもあり得ます。その場合は、しっかりと手続きを行う必要があります。

 

デザイナーさんの方へ
この記事では依頼する側の立場に立って説明していますので、制作側には耳の痛い内容も含まれているかもしれませんが、利用者にはこれほどの問題の種になりうるのが著作権です。後に揉め事を起こすつもりがないならば、権利関係はしっかり説明・提案した方が丁寧だと思います。権利関係を明らかにする上で、生みの親が子どもを手放すような気持ちになるかもしれませんが、気持ち良い取引ができるデザイナーとして、次の仕事につなげた方が現実的であると私は思います。

 

 

実際に使用するまで

しばらくすると、多くの場合は、幾つかのパターンを提示されるのでより好みのデザインを選びます。制作の途中で何回か好みの配置やデザインについて確認されることがあるかもしれません。

 

納得の行くデザインが出来上がったら、ようやく納品です。納品形式は、データなら画像データや編集用のベクターデータが多く、デザインとしてではなく名刺や封筒など製品としての納品もあります。いずれにしても納品されてきたら自慢しちゃいましょう!

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