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ポテトチップスの価格と量の推移&これからの予測

ポテトチップスの価格と量の推移とこれからの予測をグラフにしてみました。

はい、みなさんこんにちは。いんたらくとです。

 

ポテチ安売り?

湖池屋によると、ポテチの販売量と平均売価はじりじりと低下を続けてきた。「ここ10年ほどの間、1袋当たり15円ほど下がっている。コモディティ(汎用品)化が進み、飽きられてきたということ」だと佐藤社長は評する。

(中略)

今年2月に投入した「プライド」シリーズは発売3カ月余りで2000万袋、約25億円の売り上げを記録し、品薄が起きるほどのヒット商品となった。

ポテチ安売り「待った」! 高級路線「湖池屋プライド」大ヒット 仕掛け人は“伝説の人” (1/4) – ITmedia NEWS

この記事はもとは産経新聞の記事です。コイケヤのプレミアム志向戦略について書かれています。なるほど、コモディティ化が進んだことが原因で、販売価格は10年間で15円も下がっているなか、定価が150円の『コイケヤプライドポテト』を販売することで一気に単価上昇を狙ったということですね。

 

「なるほど・・・。」って、、、ちょっと、待った!

 

販売価格が10年で15円も下がったことは事実かもしれませんが、平均売価がじりじりと下がっているのはコモディティ化が原因なのでしょうか。ポテトチップスという製品のコモディティ化が進んでいるなら、コイケヤと同じくポテトチップスを主力製品としている某社の業績も下がっていなければ説明がつきません。

 

31ページ目参照

http://www.calbee.co.jp/ir/pdf/2017/kessansetsumei_20170512.pdf

某社の2016年4月から2017年3月のポテトチップス売上は78627百万円→76583百万円で、マイナス2.6%でした。一見すると減っているように見えますが、その前年度に7.6%も伸びたための揺り戻しと思われます。

 

じりじりと下がっているのには別の要因があるのではないでしょうか。

 

価格と量の推移&これからの予測

インターネット上で公開されているパッケージ写真等を元に推移をグラフにしてみました。過去にさかのぼって「特定の店舗」かつ「特定の商品」を追うことは難しいので、このグラフは統計という観点からみれば決して正確なものではありません。感覚的な記憶や推測も含まれています。競合商品は追随する法則があるので完全に的外れということはないと思われますが、あくまでも参考に見てください。

 

グラフの計算について

公式サイトによると1962年に湖池屋から発売されたポテトチップスは100gで100円で、1975年にカルビーがポテトチップスに参入したときは90gで100円だったそうです。2010年台は普段購入している某スーパーの販売価格を設定しました。グラフでは販売価格は、先の記事にあった「じりじり低下してきた」ということを再現するために、正確な数値がわからない80年代90年代は定価の100円から次第に98円→88円のように10年ごとに10円ずつじりじり減りつづけたものとし、記事作成時点での某スーパーの売価60gで68円(税込)になるという計算をしてみました。

 

細かいところを言えば、記事によると過去10年の売価は15円の減少ですし、2014年には消費税の5%から8%増税があったのでそこでも若干動きはあったはずです。また、まだ2020年を迎えていませんが、2017年の時点でほ総務省(小売物価統計調査)によるととんど変化がないため価格と量は据え置きとしました。※2019年3月にカルビー製品の約3~6%の値上げが発表されましたが、この表では反映されていません。

 


参考
カルビー商品の歴史 カルビー株式会社

 

量が減って、実質値上げ

販売価格が低下した最初のきっかけはバブル崩壊による景気の後退が原因のように思います。その後も下げ止まらなかったのはのは価格を据え置きのまま、じりじりと内容量を減らして、実質値上げを繰り返したからではないでしょうか。経済学の概念で『需要と供給』というものがありますが、価格が上がれば需要は減り、需要が減れば価格が下るという事になっています。単純な話で、実質値上げも消費者にとってはただの値上げです。

 

卵が先か鶏が先か

もはや、タマゴが先かニワトリが先かは分かりません。

  • 内容量を減らすから価格が下がる?
  • 価格が下がるから内容量を減らす?

悪循環に陥っているのは間違いありません。

 

アベノミクスが始まって以降、デフレ脱却の可能性が出たことで、ユニクロは’14年に5%、’15年に10%の値上げを断行し、これが災いしました。

ある日、突然捨てられる会社~ユニクロ、マックの失敗は他人事ではありません(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)

目先の内容量減らしという実質値上げを繰り返すことは短期的には良いかもしれませんが、最終的に製造会社の首を絞める事になります。価格が下がり続ける悪循環から脱するには、プレミアム路線で無理に販売価格を釣り上げるのではなく、標準の内容量を増やせばいいのでは。なんの根拠もなく、消費者が納得しないまま無理やり値上げしたら、どうなるかは分かりきっているはずです。

 

コイケヤのこれから

先の記事に掲載されている『コイケヤプライドポテト』は、とても気合を入れて製造されたということで当サイトでもレビューを行いました。結果はプライドの名前が泣いている散々な状態です。抜本的な改革を行わなければ一過性のブームで終わってしまうと思います。150円のプライドポテトが都内の某店では80円台で在庫処分されるという事態が起きています。消費者には付加価値を付加価値と感じなかったということです。物珍しさも手伝って販売数が伸び業績は好調かもしれませんが、好調なうちに手を打たなければ、単なる値上げと思われ、ライバル社の背中は更に遠のくことになるでしょう。

 

ポテトチップスのようないつでも一定の需要がある定番商品が『コモディティ化』するという発言は冷静に考えてみたらおかしな話です。そもそも湖池屋が同業他社と比べて何か『特別』だったでしょうか?湖池屋が一番最初に国産ポテトチップスを作ったかもしれませんが、それは単なる『プライド』であって、味や満足度には一切関係ありません。変なプライドは早めに捨てて、消費者の欲しがる魅力的な商品を販売してください。

 

湖池屋も応援していますが、一般消費者としては同業他社も同じくらい応援しています。より優れた商品、つまり味や付加価値と価格についてより魅力的な商品を買いますので、買いたいと思わせるような製品を開発し製造し販売してください。どうぞ宜しくお願いします。

 

 

ネタとして面白い予測

【ザ・検証】ポテトチップスの歴史と容量の変遷を斬る✘ – Vita Ricca.

次第に内容量が減ってきたパッケージ画像を公開されており、とても参考になる記事ですが、最後の最後で明らかにネタ・・・!!ネタとしては面白いと思いますが、ゼログラムを割り込むことはさすがにありえない・・・。

 

指数近似では近い将来に『0グラム』を割り込むと計算されますが、実際には空の袋を売ることは考えられません。実際にはある程度の段階で横ばい状態になると思われます。つまり、採用すべきは指数近似ではなく対数近似のようです。

 

(ところが、対数近似でも現在のデータだけでは横ばいにならず約1000年経つと0グラムを割り込むという予測になるのはここだけの秘密。)

 

おわりに

2019年3月にカルビーが内容量据え置きで値上げすることを発表しました。インド先物市場のデータによると2018年から2019年の1年間でじゃがいもの相場は倍で取引されているようなので、カルビーの仕入れている国産じゃがいもも「高騰」しているのは本当かもしれません。そもそも今の消費者が値上げに抵抗感が強いのはこれまで「理由をつけて値上げしたらそれっきり」ということが多く、原材料高騰をダシに騙されたという気持ちが強いからです。本当に原材料の高騰で困っているのか、高騰はただの口実なのか。原材料高騰で値上げするなら、原材料低落の際には値下げを期待します。

 

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