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芸術の森美術館でオタマトーンの音色が響く!札幌国際芸術祭2024の「明和電機 ナンセンスマシーン展」を訪れる

芸術の森美術館でオタマトーンの音色が響く!札幌国際芸術祭2024の「明和電機 ナンセンスマシーン展」を訪れる

はい、皆さんこんにちは。日常生活が楽しくなる情報をお伝えすることを心がけている、旅する写真家のいんたらくとです。

札幌芸術の森美術館

今回は札幌市の南部にある札幌芸術の森美術館を訪れました。札幌芸術の森は北海道にゆかりのある芸術家の作品を展示している美術館や音楽ホールを備える広大な公園です。その中の施設のひとつが札幌芸術の森美術館です。芸術の森には彫刻が並ぶ屋外美術館もありますが、芸術の森美術館は屋内型の美術館です。

真駒内駅から路線バスで約20分の場所にあります。札幌芸術の森の最寄りバス停は芸術の森センターもしくは芸術の森入り口ですが、美術館の最寄りのバス停は『芸術の森入り口』です。芸術の森入り口停留所からは徒歩約5分です。訪れたときは札幌市を挙げての大きな芸術系イベントである『札幌国際芸術祭 SIAF2024』が開催されており、札幌芸術の森美術館は『メディアアーツの森』として市内の他の美術館と連動した展示が行われていました。札幌芸術の森が訪れるまでにやや離れていて、地下鉄・バスと乗り継いで移動すると市内といえどもそれなりに交通費もかかるという難点もありますが、せっかくの機会なので訪れてみることにしました。

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明和電機 ナンセンスマシーン展

展示室では明和電機 ナンセンスマシーン展 in 札幌が開催されていました。明和電機は不思議な機械を作る現代アートのアーティストです。明和電機の代表的な作品としてよく知られているのはおたまじゃくしの形をした『オタマトーン』という楽器ですが、オタマトーンが開発されるまでにも様々な機械が作られてきています。明和電機の開発してきた不思議な機械を見ることができる展示となっていました。

入場料

区分前売パスポートパスポート個別鑑賞券
一般2,500円2,700円1,500円
市民・道民1,800円2,000円1,500円
学生(高校生以上)1,000円1,200円800円
SIAF2024 チケット料金

チケット料金はSIAF共通パスポートの場合は一般2,700円、学生1,200円です。共通パスポートは札幌芸術の森美術館・北海道立近代美術館・東1丁目劇場施設(未来劇場)で開催されている有料展示のすべてに入場することができます。34日間の会期中は再入場も可能となっており、別日に分けて見学することもできるとても便利なパスポートとなっていました。当日1回限りの個別鑑賞券も用意はされていましたが、体感ではあまり個別鑑賞券を使って入場している人は見かけませんでした。

明和電機のはじまり

初めの展示は明和電機として現代アートを作る前の展示でした。筑波大学の芸術系学生だった土佐信道氏が学校の課題として作った作品が展示されていました。明和電機の原点とも言える作品群です。

特に興味深かったのは『びっくり箱を作る』という課題に対して作成した作品でした。なんと「金塊を飲み込んで数日後に出てくる」という身体そのものが箱として機能するという作品でした。飲み込んだ金塊は何個か行方不明になったとのことでしたが、それにしても目の前で実演されたらびっくりすることは間違いありません。

明和電機のシリーズ

学生時代の作品は課題に応じて作るということでジャンルもバラバラでしたが、明和電機としてのアーティスト活動を行うようになって、発表作品はシリーズに分類されるようになりました。現在までに発表されているシリーズは、『NAKI』『TSUKUBA』『VOICE』『EDELWEISS』の4つです。

魚器シリーズ

『NAKI』はある意味では無駄な動きを楽しむ作品群です。魚介類の形をした不思議な機械が無駄に動くのを眺めるという現代アートならではの面白さを感じることができる作品が多くなっています。

魚介類なので、魚の形をしているものもあればタコの形をしているものもあります。

それぞれどのような意図や機能があるのかは、すべて『設計図』にまとめられているので、「こんな機能があるんだ~」と実物と設計図と見比べることができます。

展覧会の入り口にも設置してあった回転している魚のような機械は『魚立琴』という名称の機械でした。

明和電機の『魚の骨型充電ケーブル』が雑貨店のフライングタイガーに模倣されたときには、店頭商品をすべて買い占めてサイン付きで販売するという奇想天外な対抗策を実施しています。結果的に知的財産権の侵害ということが社会的な問題として取り上げられ、模倣商品の回収を余儀なくされることとなりました。模倣した者勝ちを許さない対抗策そのものが明和電機ならではの面白い作品となっていました。

ウケーテルという作品は、天気予報をダイヤルすると上からナイフが落ちて下を泳ぐ金魚が偶発的に突き刺さるという作品でした。「受話器を持った人間は直接手を下すわけではないものの・・・」という、社会の風刺的な作品です。残酷過ぎるという判断で、最近の展示会では稼働を停止した状態での展示となっているそうです。

エーデルワイスシリーズ

EDELWEISSシリーズは詩に書かれた世界観を実際の世界で表現したという作品群です。詩の中の世界観で登場する機械を作ってみたらという内面的な表現となっており、良い意味で不気味さを感じる展示となっていました。直感的な面白さがある他のシリーズと比べると詩の内容とリンクしていることに重点が置かれているEDELWEISSシリーズは『人を選ぶ作品』だなと感じました。

ツクバシリーズ

『TSUKUBA』は電子工作によって作り出された音楽を楽しむ作品群です。プログラミングによって制御された機械が音を鳴らすことで音楽ライブとして成立するまでになっています。

1日の中で何回か稼働して機械たちが音楽を奏でる様子を見学することができるようなステージが組まれていました。展示されているシリーズの中では一番賑やかで明るく愉快なシリーズとなっていました。『からくり人形が動いている』ことの面白さについてはどうやら言葉で説明する必要はなさそうです。

音を鳴らす仕組みに触れられる展示もありました。ボタンを押すと電気信号が伝わって音が鳴ります。物理的に叩いて音を出しているので臨場感のあるとてもリアルな音が響きます。

ボイスメカニクスシリーズ

『VOICE』はオタマトーンを初めとした人の声を再現した作品群です。「声の再発明」をしているなかから明和電機の代表的なおもちゃである『オタマトーン』という楽器が誕生しました。

開発初期には『人の声帯を再現した筒の中に肺を模した風船から空気を送り込んで声を発する』という声の再発明をしていました。ところが実際に人間の声帯と同じように作ったにもかかわらず、とても違和感のある音声になっていたそうです。機械的に再現しているので、とことん綺麗な波形の音声を発することができたのですが、どうやら人間の耳には綺麗すぎて逆に違和感を感じる事になってしまいました。実際の声帯は音を発することで歪み、ゆらぎが生まれます。そこで、意図的にノイズを乗せてみると大幅に改善。「アナログの良さ」というのは適度なノイズの存在が正体だったようです。

一点もののアートからマスプロへ

過去に発表したアート作品をマスプロダクションへと形を変えても楽しめるような取り組みもしています。1点ものの作品をおもちゃとして楽しめるようにして、たくさんの製品が世の中に送り出されています。

SNOW MIKU History

会場入口にある小さめの会場では『SNOW MIKU History』という雪ミクの歴史についての展示もありました。雪ミクのメイン会場が札幌で開催されているときは良かったのですが、小樽に移ってからは分散してしまってなんだか微妙です。

グッズショップ

明和電機 ナンセンスマシーン展のグッズショップは工房棟のホールが使われていました。グッズショップには展示の最後にあった『マスプロダクション』に成功したおもちゃが並んでいました。最後のマスプロダクションの項目は割とあっさりとした展示になっていたのですが、グッズショップまで見ると現在までの流れがしっかりとつかめる展示会となっていました。

おわりに

明和電機といえばオタマトーンという印象が強かったのですが、オタマトーン以外の作品も面白い不思議な機械がもっともっとあることが分かりました。目の前で動いて音が鳴ってという『びっくりさせる』展示は遊園地のアトラクションのようでとても面白く来てよかったなと思いました。

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