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良いものという自負は重要なのか?慢心せずに宣伝する事が成功への鍵

良いものという自負はだけで勝手に売れるような時代ではありません。良いものを作ったら絶対に売れるのか?答えはノーです。

はい、皆さんこんにちは。いんたらくとです。

 

  1. 良いものを作ったら売れるのではなく、良いものを作り知名度が上がると売れる。
  2. 想いが届けば手を差し伸べてくれる人や企業は居る。
  3. 灯台下暗しで、届いていると思っても届いていないのが宣伝。

 

良いものという自負

未だにサービスにしても製品にしても良いものを作り出せば売れると信じている企業が多く存在します。そんなことでは売れません。なぜなら、もうすでに物質的には飽和した世の中になっているからです。すなわち、良いものを作るのは当たり前の世の中になっているということです。

 

同じような姿形の野菜

例えば、野菜がわかりやすいと思います。スーパーマーケットの店頭に並んでいるどの人参も、どの大根も多少の大きさや重さの違いはあれど、同じような姿形のものが並んでいます。産地の違う野菜でも基本的には同じです。複数の産地に分けて仕入れているのは急なトラブルに対する安全対策でもあります。

 

A県産の大根とB県産の大根が並んでいたときに

 

競合を出し抜く方法

では、他の産地を”出し抜く方法”は何でしょうか。

いんたらくと

考える人

消費者の求める工夫をすること?
しかし、それはすでに可能な限り最大限行っているはずなのでは?

いんたらくと

考える人

社会の役に立つ製品を作ること?
もちろんそれも必要ですが、それだけでは不十分です。

いんたらくと

 

良いと思う製品を作ること(生産者志向)や、欲しいと言われるものを作ること(消費者志向)はあくまでも製品を作る際の心得のようなものです。どのような心得に沿った製品を作るか、というコンセプトだけでは出し抜きやすくはなりますが、完璧ではありません。それだけでは出し抜くことは出来ないのです。

 

それなら何なのかと言いますと、それは宣伝です。

 

MEMO

広報と宣伝は、厳密には別のものですが、この記事ではどちらも広く知らしめるものとして同義語として使用しています。

 

良いものと知らせること

良いものを持っていてもそれを知ってもらう工夫を怠れば無かったのと同じです。過程が大事という言葉もありますが、人生経験は過程が大事でも、ものやサービスは売れなければその時点で終わりです。アイデアや技術があっても元手になる資金がなければ、なかったのと同じ。

 

  • アイデアや技術があっても元手になる資金がない。
  • 良いものやサービスがあっても知られていない。

と、なかったのと同じです。

 

箱の中の猫が一定時間後に生きているか死んでいるかを考える「シュレーディンガーの猫」という思考実験があります。開ける瞬間までは生きている状態と死んでいる状態が同時に存在するというものです。「やってみなきゃわからない」というのも同じですが、

 

こればかりはやってみなくても結果が明らかです。知られなければ、なかったのと同じなのです。たとえ良いものを作り出しているという自負があったとしても・・・。

 

自負なんかよりもよっぽど宣伝のほうが大切です。これは優先順位の話です。以下では成功事例として自負もあり結果として宣伝を行った「中村印刷所」、失敗事例としては自負もあり宣伝に失敗した「名古屋グランパス」を取り上げています。

 

今回は自負がなくても宣伝がうまく行った例は取り扱いませんが、必ずしも良いものではないのに宣伝でシェアを獲得した例と言うのは探せば出てきます。「なぜこれで売れたんだろう・・・??」というような商品です。うれ

 

成功事例:中村印刷所・ショウワノート

中村印刷所は、左右の段差が出ず、水平に180度開けるノート「ナカプリバイン」を2014年10月に開発。製造方法に関しての特許を取得し、東京都の機関が試験的に購入・評価して普及を応援する「トライアル発注認定制度」にも選ばれました。2016年1月1日には同社社員の孫娘がTwitter上で宣伝したところ「ありそうでなかったノート」として3万以上リツイートされ注文が殺到し話題になりました。

http://www.showa-note.co.jp/press/171113/

有限会社中村印刷所は東京にある製本や印刷を手がける小さな会社でした。2014年に中央部が水平になるという他にはない特徴を持ったノートを開発し特許を取得していました。しかし、小規模な会社なので宣伝もうまく行かず、あとには在庫の山があるばかりになっていました。

 

契機はSNSによるバズ

そんなあるときに、当時専門学生だった孫にノートをプレゼントします。その孫はTwitterにてノートの特徴や写真を掲載。たちまち、反響を呼び、在庫の山が消えたばかりか、生産が追いつかない程の注文を受けることになりました。

 

そのノートがナカプリバインです。

 

このことからわかるのは、

  • 良い物を作っても売れない
  • SNSでの拡散によって、知名度が急上昇
  • 知名度の上昇によって、通販サイトでの売上が爆増

ということです。

 

要するに、良いものを作ったら売れるのではなく、良いものを作り知名度が上がると売れるのです。

 

利益があとから来る体制づくり

会社の経営状況が悪化していたのが一転し絶好調に変わりました。しかし、やはり中小企業ならではの限界と言うものもあり、大量の注文に対応できるように外部の製本会社との提携を進めています。そして、それからしばらくして落ち着いた頃になって、技術の継承を目的とした委託生産を始めます。特許を保持している中村氏にとっては、利益よりも多くの人にこのノートを届けたいという気持ちが強かったのです。

 

収入というのは会社を継続させるための十分条件に過ぎません。しかし、「届けたい」という想いは必要条件です。想いがなければ消費者に何も伝わりません。どんなに口先で美辞麗句を並べていても、間違った設計図では間違った製品しか作れないように、なんの結果も出ません。ですから、私はこの選択は正しいと思いました。

 

普通、「儲かっているのに外部の企業にわざわざ虎の子の技術を継承することはない」と思うでしょうが、この好調時にあぐらを搔いていれば技術が廃れてしまうのです。経営者の高齢化とともにいつか生産を辞めなければならない時が来るのが中小企業の弱点です。最近では駄菓子の「梅ジャム」やしばらく前にはおもちゃの「地球ゴマ」が生産を終了しています。早めに手を打たなければ、名前も技術も残らない。欲する人に届けられない。その商品に対する想いや愛情が廃れてしまうのです。

 

MEMO

新しいことを始めるときは、想いよりも資金繰りのほうが大事です。成長発展には想いが大事です。ステージによって最優先のものが変わります。

 

想いは多くの人へ

そういう想いを受けて、学習用ノート販売大手のショウワノートと提携することになり、中村製作所のナカプリバインはノウハウが引き継がれました。今では多くの文具取扱店で購入することができるようになっています。それが以下の商品です。

 

もちろん提携によっても、安定した”収入”を得られる用になったはずです。知名度や供給体制が整えば、収入は結果としてついてくるのです。SNSでの口コミが原動力となり、商品が売れるようになり、技術も含めて未来へ継承するための体制が整いました。これからは無名のメーカーや人でも、その特徴が優れているなら大きく広がるチャンスが有るということが分かりました。ノートに対する想いも含めて、全国に広がり応援される様になりました。

 

失敗事例:名古屋グランパス

日本のプロサッカーの1部リーグに所属している「名古屋グランパス」というチームの事例です。

 

名古屋は昨季年間16位となり、クラブ史上初となるJ2降格が決定。今季はJ2で3位となり、自動昇格こそ逃したが、昇格プレーオフを制して、1年でのJ1復帰を決めていた。

http://www.sanspo.com/soccer/news/20171216/jle17121615350003-n1.html

名古屋グランパスは前年に初の降格を経験していましたが、その翌年度には復帰することが確定していたときに問題の事例が発生しました。

 

即売会の中止

いつも名古屋グランパスを応援いただきありがとうございます。

12/16(土)・17(日)で実施を予定しておりました2018シーズンのシーズンチケット即売会について、最少催行人数(50名)に達しなかったため、実施を中止させていただく事となりました。

事前にお申込みをいただいたお客様にはメールで代替の購入方法を12/11(月)にご連絡させていただいておりますが、ご不明点ございましたら下記の問い合わせまでご連絡ください。

どうぞよろしくお願いします。

http://nagoya-grampus.jp/news/ticket/2017/1216post-882.php

日本のプロサッカーチームは全部で数十チームほどあり、そのうちの約20チームが所属しているのが1部リーグです。名古屋はグランパスはその1部リーグに所属しています。Wikipediaによると2015年の動員数は276,082人、興行収入は7.56億円を記録する10位でした。ちなみに、一位は浦和レッズで658,668人です。

 

問題とは、次期のシーズンパス即売会が中止になったのです。シーズンパスの販売のメインがインターネットだったから仕方がないという言い訳もあります。でも、”イベントを開催し、その動員数で勝負している”企業がこのようなトラブルを起こすとは予想外です。動員数が276,082人を誇るチームが主催する、休日のイベントで参加者が50人を下回るというのはいくらなんでも異常です。

 

ファンですら開催を知らなかった

ファンが「行かない」という選択をしたのなら、納得ですが、テレビの取材では多数のファンが「知らなかった」と答えています。豪雪豪雨強風などの天変地異の影響でもなく、運営会社が告知を忘れていたのです。イベント時には25万人超が万障繰り合わせて来場するほどの、良質な商品や優良な顧客を抱えていても、告知に失敗すれば成功はありません。

 

宣伝はしたのかもしれませんし、オンラインでの販売についての告知をしただけで満足してしまい即売会の告知はしたつもりになっていたのかもしれません。真相は闇の中です。

 

新規顧客には当然届かない

どちらにせよ、情報が行き渡らなかったという事実だけが残っています。宣伝を行うことによって、ターゲット層に届けることはもちろん、少し趣向をを凝らせば今とは違う新しい層の開拓も出来ますが、今回の事例ではそのチャンスを捨てたも同然です。

 

仮に”絶対に購入してくれる顧客”を抱えていたとしても、情報が行き渡らなければ購入の機会は訪れません。シーズンパス即売会という毎年恒例の行事で、最適化された宣伝方法をもってしても”うまく伝わらない”ということが起こるのです。よく訓練されたファンにだって届かないことがあるなら、ファンでない新規顧客には当然届かないでしょう。

 

おわりに

2つの事例を見てみましたが、成功事例と失敗事例は天と地の差があります。もとの規模だけで見ると勝ち目はなさそうに見えますが、宣伝というエッセンスを加えたか否かでここまで結果が変わってくることが分かりました。

 

というわけで、いかに宣伝や告知はとっても大切ということはお分かりいただけましたでしょうか。

 

  1. 良いものを作ったら売れるのではなく、良いものを作り知名度が上がると売れる。
  2. 想いが届けば手を差し伸べてくれる人や企業は居る。
  3. 灯台下暗しで、届いていると思っても届いていないのが宣伝。

 

今回の記事を要約すると以上になります。最後までお読みいただきありがとうございます。

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