あなたは地球人ですか?人間は文化によって集団となる
はい、皆さんこんにちは。いんたらくとです。
あなたは地球人ですか?
画像 https://earthobservatory.nasa.gov/NaturalHazards/view.php?id=87675
突然ですが、あなたは地球人ですか?そして、なに人ですか?
この記事を読んでいる多くの人は、地球に住んでいるので地球人、そして地理的や国籍的などの要素から日本人と答えると思います。なぜなら、この記事が日本語で発信されていて、日本語を使用するユーザーは日本人で有ることが多いという傾向があるからです。
言語や血統では分からない
しかし、仮に英語で発信されていたら、これほど簡単にはいかないでしょう。英語が使われている国は、イギリスやアメリカを思い浮かべますが、思っている以上に多くの国で使用されています。
英語が公用語のアフリカの国に住む人はアメリカ人でもイギリス人でもありません。それなら、英語が公用語のアメリカに住む人は全員アメリカ人なのでしょうか。
それも違いますよね。
住んでいる場所でも、使用している言語でも、共通点が有るから一括りに『なに人』ということは言えません。では、アメリカ人や日本人という『なに人』はどのように分類するのでしょうか。
“日本人”の文化
私が、今まで見聞きした中で最もしっくり来る分類は『文化』です。住む場所、言語や血統ではなく、同じ文化を共有する人が同じグループという事です。
例えば、あなたは以下のような文化を共有しているのではないでしょうか?
- お正月にはおせちやお年玉
- 3月と5月が節句
- 8月にはお盆
- 10月にはハロウィン
- 12月にはクリスマス
結婚式はキリスト教方式で、葬式は仏教形式が主流になっているのも、味噌や醤油と言うような発酵食品を利用するなども文化です。
文化は思想に、思想は文化に
絵画 縛られたプロメテウス
文化はとある個々人の考えや経験を元に形成されています。しかも、一朝一夕のものではありません。何十年や何百年と積み重なってきたものです。文化は人々の間に流れる空気です。空気は物理的なものではありませんが、脈々と受け継がれてきました。そして、文化を受け入れるかを判断するのは個人の考えや主義主張です。
個人の考えや主義主張、すなわち思想こそが人間として最も重要な核なのです。文化から思想に、思想から文化は、相互に影響を与えていて影響を受けています。文化は思想の銀行のようなものです。
余談ですが、『思想』と『宗教』も切っても切れない関係にあります。宗教は思想をまとめたものだからです。文化が現実的ならば、宗教は理想的な思想です。宗教も文化も『思想』から成立しているので、似たような立ち位置になってしまいます。
人間は考える葦である
文化を作るのは個人の思想です。ところが、思想というのは難しいもので、考えることは他人を傷つけるし、発言することは責任を問われます。だから多くの人は考えない。というよりも、考えることを意図的に放棄している。まるで、それが安全地帯に安住する為の査証のように。
「人間は考える葦である」とパスカルは言いましたが、考えることを放棄した人間は人間なのでしょうか。ただの葦ではないか。その他大勢で背景の葦のひとつ。社会が「人々が考えている」という前提で作られている以上は、考えないことは単なる白票で、棄権で、無条件の信任を意味します。
本当に良いんですか?単なる白票で、棄権で、無条件の信任で。
もっとあなたの想いを言葉に。そんな言葉が聞きたいし、読みたい。
想いを言葉に
絵画 笠松
だから、日頃からいろいろな事について想いを巡らせることはとても大切なことなのです。一見すると無駄に見えることでも血となり肉となるでしょう。
今は間違っていると思われるようなことでも、時間が解決してくれることもあります。自信を持って想いを伝えれば、解決までの時間は大幅に圧縮されることもあります。
もちろん、明らかな間違いの時や説得力が無いときは速攻で袋叩きに合うこともあります。それでもフィードバックが有ることはとてもありがたいことです。炎上するのは真摯さが足らず、説明が足らず、説得力のない放言に成り下がっているからです。しっかりと考えた末の発言なら物議を醸す事はあっても、炎上することは皆無に等しいので安心してください。
昔は意見に意見をぶつけることはマスメディアの特権でした。今ではインターネッツのお陰で誰でも意見を表明したり、反対意見を述べることが可能になりました。要するに今なら簡単にフィードバックをでき・得られるようになったということです。
個人の集合体である『文化』からのフィードバックであり、あなたによる『文化』へのフィードバックです。
あなたも、『フィードバック』をして、『フィードバック』を受けてみませんか?
文化は生き物だ!
地球人である条件
ここまでお読みのあなたには冒頭の質問の答えがお分かりかもしれません。(言葉遊びですが。)
私達は地球人ではありません。他の文化を持つ人々と同じ文化を共有していないからです。もしも、宇宙人が襲来して、とても多くの人々が襲来した宇宙人に立ち向かうことを決意したときに初めて、宇宙人に対する『地球人』が生まれます。
いやいや、ちょっと待てよと思われた方もいるでしょうか。人類みな兄弟、私たちは同じホモ・サピエンスではないかと。確かに、地球に住んでいる人間を科学的な区分で分類すると『ホモ・サピエンス』です。しかし、それは学術的な分類で”人類”であることを定義するに過ぎません。前の項でも書いたとおりで、住んでいる場所や血統では説明しきれないケースがあります。つまり、その条件だけでは地球人と言い切るには説明が不十分だから、地球人ではないのです。
しかし、ユング心理学によると『集合的無意識』という人類には皆共有している”文化”があるそうです。別の文化を持った人とも意思疎通が可能なのは『集合的無意識』のおかげであり、ある絵を見て強いイメージや優しいイメージなど、どこの国でもどこの人でも同じようなイメージを持つのも『集合的無意識』があるからというものです。
ただ、集合的無意識は意識しないほど深層にある領域なので、それを文化というには難しいと思います。もっと目に見えるレベルでないと・・・。「誰もが同じ方向を向いて、手を取り合って」と言うのは理想ですが、現実には一筋縄では行きませんね。