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貨車も運んだ鉄道連絡船!青函トンネルに役目を譲った「函館市青函連絡船記念館 摩周丸」を訪れる

列車ごと運ぶ鉄道連絡船!青函トンネルに役目を譲った「函館市青函連絡船記念館 摩周丸」を訪れる

はい、皆さんこんにちは。いんたらくとです。

函館本線の端っこ

函館駅は函館本線の起点となる駅です。函館駅構内には『函館本線0キロポスト』が設置されているように、函館が鉄道網の起点となっています。函館駅が起点となったのは北海道を鉄道網で覆う計画からのことで、函館駅の西口付近には整備が進められていたころに設置されていた『函館本線0マイル地点記念碑』が設置されています。また、0マイル記念碑の隣には、函館の名産品のひとつであるいかにちなんだポストが設置されています。

函館駅 0マイル地点記念碑

函館本線0マイル地点記念碑は、1904年に概ね現在の位置に移設されるまで、旧函館駅は現在の函館駅よりも約1km北東の海岸町10番地にあったそうです。元々は駅の跡地に設置されていたものを移設して展示されています。0キロ地点のようなメートル法ではなく、ヤードポンド法のマイル表記となっているのは、アメリカの鉄道技術を元に作られた歴史的な背景からだそうです。

いかポスト

遠くからでも目立つ可愛らしいデザインのポストで、『いかポスト』という名前で知られています。いかポストは集荷もされている現役のポストとなっているので、函館駅周辺で手紙を差し出したいときには利用することができます。

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函館市青函連絡船記念館 摩周丸

函館駅は現在はターミナル駅として線路が続いていませんが、昔は函館駅に隣接する函館桟橋から青函連絡船に乗り換えていました。青函連絡船は、1908年から1988年3月11日まで貨物や乗客を運んだ鉄道連絡船です。1988年には青森と北海道の間に青函トンネルが開通したことによって、役割を終え廃止されました。

その鉄道連絡船として活躍していた摩周丸が現在は『函館市青函連絡船記念館 摩周丸』として一般公開されています。五稜郭や函館山など人気の観光スポットと比べると地味に感じるかもしれませんが、函館の街の発展を支えたとても重要な遺産となっています。

摩周丸が連絡船として運航されていたときには、函館駅から連絡通路があったそうですが、現在は連絡通路はないので駅裏の道を歩いて行くと入り口に付きます。ちなみに摩周丸の由来は道東にある大きな湖の摩周湖から名付けられています。

入館料

大人500円
小人250円

入館料は大人500円、小人250円です。函館市に関連した展示施設なので、函館市内で使える各種フリーパスを提示することで割引される場合があります。対象の券やリーフレット等を提示すると、大幅な割引というわけでは無いのですが、ちょっとだけお得になります。

摩周丸館内の様子

入館料を支払ったら乗船します。摩周丸は博物館として静態保存されている船なので動くことはありませんが、現在でも海の上に浮いています。整備が必要な場合にはタグボートに曳航されて修理工場まで運ぶことも可能となっています。入り口は今にも動きそうな『乗船口』となっています。

船の中に入ると摩周丸や青函連絡船の歴史についてのパネル展示やグリーン指定椅子席がありました。グリーン指定椅子席は65度までリクライニングすることが出来るとても座り心地の良い椅子です。さぞみんな快適な海の移動をしたのかと思いきや、多くの人が利用した『普通自由席』は大部屋の座敷席となっていて、良い場所の取り合いや積み残しで置いていかれないように、駅からは走って乗り換えたと言われています。指定席が取れてれば安心ですが、普通車自由席で乗り換えが発生すると今も昔も席取りが大変な点はさほど変わっていないようです。

摩周丸には椅子席だけでなく寝台のある寝台のある普通船室もあったそうです。寝台席では飾り毛布をすることで乗客を迎えていたということが伝えられています。季節やイベントに応じて様々な飾り毛布が実施されたことが写真にも残っています。

航海の様子を振り返る資料としては、当時の航海記録が残されています。海の状況や天候などが記載されているので、ある日の連絡船では、どのような航海が行われていたのか歴史を辿ることができます。資料として綺麗に残されているので、見る人が見れば頭の中に海の状態などの情景が思い浮かぶかもしれません。

船の仕組み

続いて船がどのような仕組みで動いているのかという技術についての展示のコーナーがありました。展示コーナーの一番の目玉は、非公開エリアを遠隔操作カメラで見ることが出来る装置です。摩周丸で公開されているエリアはほんの一部で非公開エリアがかなりあります。非公開になっているのは、当時の状態を維持するという目的もさることながら、摩周丸では就航当時は問題となっていなかったアスベストの使用が確認されていることも理由となっています。除去を行って復元するには莫大な費用がかかってしまうので、当面公開される事は無さそうです。

操舵室

摩周丸は船としての機能は完全に停止されているので、操舵室にある機械類は実際に触れることも可能です。就航していた当時は操舵室の機械で船が操作されていました。もう今は使われていないと言っても元は本当に使われていた本物の機械なので、細部まで観察するにも良さそうです。

また、操舵室の片隅の神棚には金毘羅宮の神様が祀られています。北海道と青森を行き来する摩周丸ですが、建造は神戸の造船所にて行われたことから、就航地からは離れている四国琴平にある金比羅宮の神様が祀られているそうです。

無線通信室

無線通信室では送信機を使ってモールス信号を送信する体験ができます。操舵室と同じく無線通信室の多くの機械は実際に触れることができます。

操舵室からの景色

旧函館桟橋という函館港の中心に係留されているので、摩周丸の操舵室からは函館港を見渡すことができます。函館の夜景を見られる函館山展望台やまっすぐ直線的な急坂が絶景のフォトスポットととなっている八幡坂も海側から見ることができます。

列車乗船口

1925年からは桟橋まで線路を伸ばすことで、鉄道車両を積み込むことができました。旅客は歩いて乗り換えていたそうですが、貨物は貨物車ごと線路を通って連絡船に積み込まれていました。旅客列車もそのまま積み込めば乗換なしで移動できて楽だったのではと思いますが、計画としてはあったものの安全管理の都合で実現はしなかったようです。

函館駅と青森駅でそれぞれ積み下ろし作業を行っていたものが貨車のまま乗せて貨車のまま降ろすだけになったことで、時間短縮にもなって、北海道と本州の貨物輸送が更に盛んになったと言われています。青森駅側では線路も保存されているそうです。

函館クルーズターミナル

摩周丸の横では、2022年9月に完成する予定で函館クルーズターミナルという建物の工事が行われていました。摩周丸に隣り合うようにして大型クルーズ船が停泊できる埠頭が整備されており、函館クルーズターミナルは函館港に寄港したクルーズ船の待合所として整備されている建物です。道路で分断されているので大型クルーズが寄港するときのみ利用されるそうです。

おわりに

摩周丸は函館の街の歴史を知る上では欠かせない船です。青函トンネルで天候に左右されずに移動できるようになったのも、青函連絡船の旺盛な移動需要があったからです。非公開となっている部屋も多く見られるのはほんの一部に限られるものの、函館が本州と北海道をつなぐ重要な役割を担っていたことを今に伝える歴史的な展示施設となっています。函館の公共交通機関の歴史や鉄道連絡船そのものについて興味がある方は、ぜひ立ち寄ってみてください。

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