旭川にある旧陸軍将校の社交場!国指定重文の建物「旭川市彫刻美術館(旧旭川偕行社)」を訪れる
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旭川彫刻美術館



旭川彫刻美術館は1994年に開館した美術館です。正式名称は、中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館といい、中原悌二郎という大正時代の彫刻家の作品を展示しています。中原悌二郎の出身は釧路ですが、幼少期を旭川で過ごしていたという経歴がある人物です。また、美術館として使用している建物は、『旭川偕行社』という陸軍第七師団の社交クラブとして1902年に建築された歴史的な建物となっています。今回は『北鎮記念館』にて第七師団に関連する建物として紹介されていたので訪れました。
1階展示室

1階の展示室には木内克という茨城県出身の彫刻家の作品が展示されていました。ブロンズ製の彫刻作品ですが、のびのびと寝ているかのような猫の作品でした。美術館としては2階展示室がメイン展示室となっています。1階は小さな会議室のような部屋がいくつもあるのに対して、2階は大きな広間となっています。





玄関正面に重厚感のある階段が続いています。階段の柱にも意匠が凝らしてあるので、古い建物に興味関心がある方だと歩いているだけで見所満載かもしれません。
2階展示室

2階展示室が社交クラブのホールとなっており、広々とした作りで開放感があって明るい建物となっています。中央には常設の中原悌二郎の作品があり、その左右には様々な彫刻作品や現代アートが展示されています。



正面の大きな窓が

元々が社交クラブとして作られた建物なので、美術館の展示室のように通路や順路があるわけではなく、広間に様々な作品が展示されている状態となっています。
偕行社資料室

館内には偕行社資料室という建物の歴史を振り返る展示も行われています。旭川偕行社は洋風木造建築の建物として外観も高く評価されており、1989年には国の重要文化財にも指定されています。旭川市内で国の重要文化財に指定されている建物は、旧旭川偕行社が最初で唯一のものとなっているそうです。


偕行社資料室には修繕工事の際に取り外された柱などや建物の表看板などが展示されています。

偕行社とは陸軍の将校が利用する社交クラブのことで、全国の師団に設置されていた厚生会館のようなものだそうです。社交場としての場を提供するだけでなく、将校服の製造販売等もおこなっていたそうなので、かなり手広く色々なことを行っていたようです。師団があれば偕行社があったと言っても過言ではないようですが、重要文化財に指定されている偕行社は3か所(旭川、弘前、善通寺)、登録有形文化財に指定されている偕行社は2か所(金沢、岡山)となっています。それ以外にも台湾等に残されているものがあります。
おわりに
旧旭川偕行社は、旭川にあるとてもおしゃれな洋風木造建築物です。現在は彫刻美術館として営業しているため、建物と美術作品を両方見て楽しむことが出来るようになっています。漫画ゴールデンカムイでは第七師団本部の建物として描かれていた建物でもあります。彫刻作品が好きな方、古い建物が好きな方、漫画ゴールデンカムイが好きな方、どの視点で訪れても楽しめると思います。旭川を訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてください。