世界五大美術館のひとつ「プラド美術館」で見られる有名作品を紹介します。
はい、皆さんこんにちは。いんたらくとです。
ポルトガル旅行記2017 その14(スペイン編) | |
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日時 | 2017年2月12日(日) |
滞在地 | マドリード |
期間 | 2017年02月09日~02月16日 |
目次 | 2017年ポルトガル旅行記 |
目次
- プラド美術館
- プラド美術館の無料参観日
- 館内の様子
- 主要作品案内
- エル・グレコ「聖三位一体」1577-1579年
- エル・グレコ「羊飼いの礼拝」1612-1614年
- ディエゴ・ベラスケス「東方三博士の礼拝」1619年
- ディエゴ・ベラスケス「酔っ払いたち」1628-1629年
- ディエゴ・ベラスケス「織女たち」1655-1660年
- ディエゴ・ベラスケス「ラス・メニーナス(女官たち)」1656年
- ディエゴ・ベラスケス「槍(ブレダ開城)」1635年
- フランシスコ・デ・ゴヤ「裸のマハ」「着衣のマハ」1800年前後
- フランシスコ・デ・ゴヤ「1808年5月3日の銃殺」1814年
- フランシスコ・デ・ゴヤ「我が子を食らうサトゥルヌス」1820-1823年
- フラ・アンジェリコ「受胎告知」1425-1428年
- 作者不明「モナ・リザの複製」1503-1519年
- ファン・デル・ウェイデン「十字架降架」1443年以前
- ヒエロニムス・ボス「快楽の園」1500-1505年
- ピーテル・パウル・ルーベンス「三美神」1630-1635年
- アルブレヒト・デューラー「アダム」「エヴァ」1507年
- まだまだ沢山・・・
- ミュージアムショップも充実
- 美術館を出ると
プラド美術館
スペイン絵画コレクションで有名なプラド美術館は、地下鉄Atocha駅から歩いてすぐのところにある観光ポイントです。入館料は一般が15ユーロ、一般+公式ガイドブックが25ユーロです。
公式ガイドは詳しく載っていて良い本ですが、ちょっとした記念にと考えている方は、セットではなく別に販売している見学ガイド(約5ユーロ)がおすすめします。詳しくは本記事のガイドブックの項目をご覧ください。
プラド美術館の無料参観日
「マドリード王宮」も「マヨール広場」もさくさくと進んでどこへ向かっていたのかといいますと、なんと閉館時間の2時間前からは参観料が無料になるプラド美術館でした。平日と土曜は18:00~20:00が、日祝は17:00~19:00がその時間です。
到着した頃は既に列ができていました。少しずつ前に進んでいくのに列の長さは変わらないので、かなりの人がこの時間に合わせて来場している事がわかります。
(美術館や博物館の正面口って使われてない事が多いような・・・)
チケットカウンターでチケットを受け取ります。
入り口でセキュリティーチェックがあります。大きな荷物はクロークに預ける必要があります。いよいよ入館です!
館内の様子
館内は撮影禁止なのでこれ以降の写真はありません・・・。というわけで、館内の様子は3分45秒の公式映像をご覧ください。
主要作品案内
写真撮影は禁止ですが、収蔵されている絵画作品は著作権が切れているので、パブリックドメインとして公開されています。今回はパブリックドメインとして公開されている写真と、ミュージアムショップで入手した公式ガイドブックを参考に主要作品を紹介していきます。
画像はプラド美術館公式サイトより高画質の画像を無料でダウンロードすることが出来ます。詳しい解説を知りたい方はトレド美術館にて公式のガイドブックをお買い求め下さい。
エル・グレコ「聖三位一体」1577-1579年
Art by Wikipedia
トレドのアンティグオ修道院にあるカール5世の后イザベルに仕えていた貴婦人の墓所に収められていました。前々回に紹介した聖衣剥奪とともに、グレコがトレドに移住した初期に書かれたものです。ヴェネチア派の彩色を用いながらも、肉体の表現はミケランジェロの影響を受けています。
エル・グレコ「羊飼いの礼拝」1612-1614年
Art by Wikipedia
グレコの墓所があるアンティーグオ教会の祭壇の絵のひとつでした。この作品はグレコ晩年の作品で、今までにも同じテーマの作品を描いていましたが、永眠する場所に置かれたということで重要な作品として認知されています。画面手前の羊飼いは自画像とも言われています。
ディエゴ・ベラスケス「東方三博士の礼拝」1619年
Art by Wikipedia
セビリアにあるイエズス界のサン・ルイス修練場に収められていました。プラド美術館に収蔵されているベラスケスの作品の中では最も古い作品です。宮廷に使える前の作品で、ベラスケスの家族がモデルと言われています。
ディエゴ・ベラスケス「酔っ払いたち」1628-1629年
Art by Wikipedia
ワインの神とその取り巻きを俗世的な姿で描いたものです。
ディエゴ・ベラスケス「織女たち」1655-1660年
Art by Wikipedia
ベラスケスのタイトルの付け方が特殊で、近年までは織物工場の様子を描いたものとされてきましたが、実際にはギリシャ神話に基いて描かれたものでした。アラクネーが芸術の女神ミネルヴァ(アテナ)に機織り勝負を挑んで蜘蛛に変えられてしまうという物語です。なお、機織り勝負で勝ったのはアラクネーでした。
ディエゴ・ベラスケス「ラス・メニーナス(女官たち)」1656年
Art by Wikipedia
場所はマドリード王宮の一室で、王女のマルガリータを中心にベラスケス本人などが描かれています。幾つかの解釈がありますが、高い身分の家臣とともに自身を書くことで、画家の地位向上を図ったのではないかと言われています。また、奥の鏡に映り込んでいるのは国王夫妻です。
ディエゴ・ベラスケス「槍(ブレダ開城)」1635年
Art by Wikipedia
1625年にスペイン軍がオランダのプレダを陥落させた時の様子を描いた作品です。スペイン陣営には軍事力と統率力の象徴として多くの槍が書かれています。この作品は、戦いに勝ったスペイン軍の寛容さを表現しています。
フランシスコ・デ・ゴヤ「裸のマハ」「着衣のマハ」1800年前後
Art by Wikipedia
どちらの作品もゴヤの庇護者ゴドイの所有していた作品で、ゴドイが失脚した際に押収されたものです。その後、サン・フェルナンド美術アカデミーに収蔵されましたが、着衣のマハのみ展示されました。当時、裸婦像を書くことは禁止されていた為、裸のマハはゴヤの作品の中で唯一の裸婦像です。
フランシスコ・デ・ゴヤ「1808年5月3日の銃殺」1814年
Art by Wikipedia
スペインを占領したフランスに対する反乱はあっけなく鎮圧されて、この作品のような悲劇的な結末を迎えました。社会科の教科書でも掲載されている有名な絵です。
フランシスコ・デ・ゴヤ「我が子を食らうサトゥルヌス」1820-1823年
Art by Wikipedia
ローマ神話に登場するサトゥルヌスが、将来自分の子供に殺されるという予言を恐れ発狂した様子を描いています。
フラ・アンジェリコ「受胎告知」1425-1428年
Art by Wikipedia
フィレンツェ郊外のサン・ドメニコ修道院の祭壇画として描かれました。左側を歩いているのはエデンから追放されるアダムとイブです。イタリア後期ゴシック美術とルネッサンス美術の特徴が見られます。また、金箔が使用されています。
作者不明「モナ・リザの複製」1503-1519年
Art by Wikipedia
モナ・リザのオリジナルはパリにあるルーブル美術館に収蔵されていますが、こちらはオリジナルと並行して制作された作品と言われています。2011年までは背景が黒塗りされていたそうですが、洗浄作業によって図のようにきれいになりました。
「モナリザ」最古の複製画公開、来月に本物と並べて展示へ | ロイター
ファン・デル・ウェイデン「十字架降架」1443年以前
Art by Wikipedia
十字架降架はファン・デル・ウェイデンの傑作として知られていて、ハンガリー女王マリーやその甥のスペイン王フェリペ2世の持ち物として大切にされた。
十字架降架 (ファン・デル・ウェイデンの絵画) – Wikipedia
ヒエロニムス・ボス「快楽の園」1500-1505年
Art by Wikipedia
三連祭壇画として描かれていて、左から天国、地上、地獄を表しています。扉を閉めると天動説の地球が描かれています。展示室では台に置かれていたので、裏側(扉の部分)も見ることが出来ました。
ピーテル・パウル・ルーベンス「三美神」1630-1635年
Art by Wikipedia
ヘーシオドスの神統記によると3人は、輝きのアグライア、喜びのエウブロシュネ、花の盛りのタレイアとされています。左端の女性はルーベンスの夫人がモデルと言われています。
アルブレヒト・デューラー「アダム」「エヴァ」1507年
Art by Wikipedia
アダムとエヴァを個人として描くという取り組みが斬新で、りんごや蛇が描かれていなかったらテーマがなんであったか判断がつかなかったと言われています。この絵の時点ではまだりんごを食べてしまう前の様子だそうです。
まだまだ沢山・・・
他にも多数の作品が収蔵されています。入場直後は混雑していましたが、しばらくすると目玉の作品が沢山あるからか人が程よく分散して、どの作品も最前列でゆっくり見ることが可能でした。
日本の美術館のように、有名な作品を大勢の人に揉まれながら見ることになるのとは大違いです。椅子に座ってのんびりと眺めるのも良いですし、いろいろな作品を歩きながら見て回るのも良いです。順路も特に決まっていませんので自由に見て回ることが出来ます。残念ながら、過去にピカソのゲルニカが展示されていたこともある別館までたどり着きませんでした。
ミュージアムショップも充実
展示室から出た時にはまだ営業していたので中をのぞいてきました。なお、オンラインショップもあります。
見学ガイド(50傑作&館内MAP)
VISITOR`S GUIDE – Tienda Prado
値段は4.75ユーロで、傑作50作品が厳選されて掲載されています。無料で配布している館内マップには「有名作品の切り抜き」と「展示室番号」しか書かれていないので分かりにくいので、気合で全ての作品を探し回る予定でない方は見学ガイドを購入してから館内をまわるとスムーズに回れます。
※上記リンクから内容が確認できます。
公式ガイドブック
こちらは18.53ユーロで480ページほどある重いガイドブックです。見学ガイドが館内マップを兼ねているのに対して、解説重視のガイドブックです。今回は記念にこちらのガイドブックを購入しました。見学ガイドのような地図はありません。
※上記リンクから内容が確認できます。
美術館を出ると
美術館の外に出るとあたりはすっかり暗くなっていました。広いので歩き疲れました~。
さあ、空港に戻ろう!